余命宣告された急性のがん患者さんと
一緒に暮らしています。
痛みに悶えているときは、さするくらいしかできません。
散々泣き叫んだあと、
ちょっと落ち着き始めた頃
もう死んでもいいと腹をくくるか
なんとしてでも生きたいと固い意志を持つか
どっちがいいのだろうか。
そんな質問でした。
ぼくは言います。
そうだねー。
もういつ死んだっていいや
それでいいんじゃない。
生きたいと思うと
死んだら嫌だという気持ちや
具合が少し悪いとすぐに死ぬのではと不安になる。
その不安が身体を酸化させる。
胃も腸も動きが悪くなる。
不安や恐れは、そう思えば思うほどドツボにはまる。
不安により、ホルモン分泌が狂い、ほぼ24時間
交感神経優位となって神経システムを壊してしまう。
いろんな病気は、がんと紙一重なものも多い。
その病気になっていたから、がんにまでならなかった。
その病気で苦しんでいたとしても、
実はもっと重い病気になる可能性だってあった。
さてと
がん患者さんが常に死を恐れていてはいけない。
もういつ死んでもいい
そう開き直る必要がある。
いつ死んでもいいというのは
あきらめとも違う。
開き直って
天の指示を仰ぐ
成るように成る
生きているうちは
幸せを噛み締めていこう。
そんな感じだ。
明日に死んでも
30年後でも変わらない。
自分は肉体を脱いで、
魂だけで自由に生きていく。
それまではこの身体と共に生きていこう。
そういうことだ。
生きる意志を捨てたわけではない。
成るように成る。
その後、痛みが去って
僕らは笑った。