大作家の僕としては

大錯覚しているのは分かっている
しかし僕はそう思っていればいいのだ
あなたも錯覚して大女優として暮らしていればいい
って言ってもね
鏡を見たら笑うよね　笑笑

僕の場合は白髪だしね
歯も欠けているしね
裸足で下駄だしね
帽子もかぶっているし
確かに作家ぽいね
職業は何ですか？
まあ名前は言えないが作家です〜
って小料理屋のママに行ってみたいね
職業はイエスキヨトシリトルブッダです
なんてね
人を救おうとして自分が救われる物語だ
大作家の文章力はこの程度である
書くこともこの程度である
審査員にお金を払っていないと賞はもらえない
プルーストのようにマドレーヌで世界を表現するとか
アンドレジイドのように狭き門を通るだけとか
カフカのように変身したらウルトラマンになるとか
そんな物語なら書けるかもしれない
僕は医療マフィアの監視のもとで生きながら
警察にも税務署にも追われている
うっかり愛してしまった女には去られて
行く道は塩の道
塩を舐める人生だ
僕の人生は塩だ　愛だ　
僕らの身体は海だ、塩だ
身体に塩が足りればみずみずしい身体になる
塩で身体ができていることを知っているから減塩政策
塩が不足しているから癌や糖尿病、高血圧
この世は喜劇
そんな世界を渡り歩く
人生は素晴らしい冒険だ
僕はそうのたまっていた　かつて