パリの宿、公開

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建物はペンキ塗りたてだった
つまり空気が悪いってこと
寒くてぶるぶるしていた僕に優しく
窓を開けて寝てくださいって
新ペンキにご注意をって
最初から言ってよね

もう、絶対次は予約しないから プンプン
そしてびっくり
キッチンにペンキを塗る材料がそのまま置いていた
要写真確認
ありえないですよね?
罰ゲームでしょうか 神様〜
部屋に暖房はついていない
いやあった
オイルヒーターが
しかしどこにスイッチがあるのか分からない
airBサイトでメッセージする
それでキッチンの洗面の横にある機器だということが分かり
暖房はつけられた
もちろんオイルヒーターは時間がかかる
夜中にあったかいって眠りながら分かった
僕はこういう暖房は好きである
エアコンや石油ストーブは嫌いだ
薪ストーブ大好き オイルヒーター嬉しいって感じ
オイルヒーターが使えることで僕は嬉しさを感じた
ここのホストは女性だ
メッセージから判断するには、自分が偉くて高慢的である
あのわけの分からない鍵箱といい
自分が分かっていることは相手も分かっているというのを信じている
外国の小さな街中のストリート名を知っていて当たり前と思っている
劇場の裏の柱の後ろ
これは
劇場の宣伝塔の裏
であった
僕が日本語でメッセージすると
英語で書いてって言う
シンプルな単語英語メッセージだと
フランス語で書いてくれないか
まあ いいとしよう
僕は部屋に入れた
倒れることもなく
この女性はシングルでキャリアウーマンと推察する
学歴は高いと思う
本好きであることは間違いない
専門家ではないがアートやファッションやデザインに関する会社のスタッフをしているかも知れない
センスは悪くない
掃除は苦てっぽい
かろうじてきれいにして貸している感じだ
しかし僕は適度に満足しつつある
まるでパリに住んでいる30歳の僕のような気がする
それはひとつの憧れだった
タイムマシンで32年戻れば僕がここに居た
なんとかこの世界で自分の証をつかみたい
そんな外国で挑戦していた僕が視える

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