海の前の人気の店に入った

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

その店はSALって名前だった
混んでいたのでやめようかとも思ったが
30分も待って席に座れた
それは最前列にあり海全体を見渡せるいい席だった
待った甲斐があった

僕は何も約束はない
ゆっくりするだけである
太陽を浴びながらゆっくり食事をすればいい
店は忙しいがそのうちにスタッフが聞きに来るさ
座って15分ぐらいしてウェイターはやってきた
ビールと言った
そしてメニューを見たが何がなんだか分からない
迷っていたらウェイターは去っていった
海の前で地中海の太陽を浴びる
僕は幸せを感じた
さらに15分してやっとウェイターはやってきた
僕はネットの翻訳でざっくり分かった
それでコロッケという
それはなんとか理解してくれて2つ頼んだ
そしてムール貝やエビなどの料理を頼んだ
15分ぐらいしてコロッケがやってきた
一個530円くらいだ
2個だから1,060円だな
僕は一個を3口で食べた
そして次のお皿を待っていた
30分経っても来ない
ウェイターに頼んだ
15分経っても持ってこない
この店に来て2時間経っていた
僕は諦めた
チェックしてくれって頼んだ
しかしチェックもしてくれない
そんなに混んでいるのである
アジアンだからか
少し被害者意識が湧いてきた
いかん いかん 僕はゆっくり時間を楽しみにしてきたのだ
なんとか奥まで行って決済はできた
ほっとしたことにこなかった料理はカウントされていなかった
僕は店を出て公園に行く
公園でラブラドールが座っている隣のベンチに座り
犬を眺めた
僕もいつかこんな犬を飼うのかな
大きな犬を僕は飼えるのかな
こんなやつと命をかわしあえるのかな
子供が走り回る
3人の小学生 追いかけっこをしたり
僕のお腹は中途半端だがしかしすぐに何かを食べたいわけでもない
僕はこの地で幸せに過ごせばいいのだ
すれ違う人に小さく会釈をする
するとオラ〜って言う人も多い
僕は小さくオラ〜って言う
おばあちゃんにはニコッと笑って会釈する
おばあちゃんはみなニコッと笑ってくれる
喜んでくれるのが嬉しいのだ
孤独なおばあちゃん、みんなに嫌われそうなおばあちゃん
僕はニコッと笑う
そしてびっくりしながらも笑ってくれる
笑顔が可愛いのだ
僕は僕で何かいいことをしたような気分になるのだ
宿に帰って、ビールを飲み直した
そして思いついた
アボガドサーモンレタスサンドイッチを作ろうと
材料は全て揃っていた
パンを切り、バターを塗り、マスタードを塗り、山椒七味を振りかけ、
アボガドを醤油とワサビを入れて練り、パンにたっぷり乗せた
そこにサーモンを挟んでレタスを挟んでシーザードレッシングをかけた
最後にアマテラスを振った
パンから具が飛び出ないように大きく口を開けて食べた
僕の人生で最も美味しいサンドイッチができた
あの料理が来なかったばかりに僕は思いつき
作り出して食べて幸せになったのだった

2024年2月4日  

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。