着いたら電車は走って行った

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僕がやっと着いたというのになんてこった
それから40分待つ
若い男性にまた確認する
その後また若い女性に確認する
このプラットフォームでいいんだよね
この電車でいいんですよね!って


Googleマップはいろんな時間の電車を提示してくる
女子学生はチーズ菓子とか一生懸命食べていた
チーズの匂いが鼻にきた
チーズ菓子女子学生に僕は聞く
次のがいいって
そのチャンスを逃さないって言った
表現が面白すぎた
そうか 僕はこのチャンスを逃がさない
そうなんだと納得して乗る
乗ったら30分くらいで終点になった
僕は仕方なく電車を降りて、今度は駅員に聞く
駅員は自分の携帯で検索する
そしてあと90分後にありますって 
えええ
いつ着くのか
そこから110分だ
太陽はあるのか
光はあるのか
暗闇の中でアパートメントを探すのか
嫌だ嫌だ
パリで懲りている
カフェで休憩しよう
コーヒーはやめてビールにした
後でクロワッサンも食べた
80分待っていよいよプラットフォームへ
そしたら向こうの向こうの1番ホームだ
僕は焦った
時間が迫っている
呼吸を止めてスーツケースを持って降りて行く
そして今度は登っていく
間に合った
しかしそこから電車は来ない
遅れている
20分後に僕は無事に電車に乗った
席は埋まっている
僕は夕陽を楽しんだ
しかし家の玄関を開けるまで沈まないでくれと祈った
目的の駅に着いた
まだ明るかった
しかし日は沈んだ
そこから11分 スーツケースを持ってガタガタと歩いた
道はそんなに良くはない
そして問題は携帯の充電だ
まもなく切れる
せめてアパートメントに着く時まで携帯が持ちますように
気が気ではない
近くに着いた
まだ携帯は生きている
さて家はどこだ
確認する
12番地だった
ピザ屋で確認する
そに指示に従って僕は丘を登った
スーツケースの重いこと
しかし間もなくなのだ
力を振り絞る
日本男児 負けるもんか
しかしバッテリーはへたっている
人の家の玄関の数字を見ながら歩く
怪しいと思ったのかご婦人が僕を睨んでいる
僕は12番はどこですかって
スペイン語で12くらい学んでおけば良かった
いつも英単語だ
確か上の最後って言う
僕は11番を遂に見つける
そして次の家に行ったら13番だった
山を登ると最後の家は14番だった
どこにも12番はなかった
だんだん闇になってきた
僕の視力では文字など何も見えなくなった
家がない
アパートメントが無い
12番の家は消えた
明るいうちにたどり着くという夢は終わりを迎えた
僕は重い荷物を停車していた車の後ろに置いて
スーツケース無しでまたピザ屋まで下った
坂からスーツケースは転がり落ちる
せっかく山に上げたのにまた下ろしたらまたあげなくてはならなくなる
下まで降りた
ピザ屋の手前がオーナーの写真の玄関と似ていた
そして遂に僕はたどり着いた
隠してあった鍵は探せた
僕は嬉しくて丘を登り、ズルズルとスーツケースを運んできた
途中怪しい男がいた
僕のスーツケースを眺めた
僕は取られないように祈って渾身の脚力で登った
遂に見つけた
涙は出ない
玄関を開ける
ロビーがある
電気をつけた
どうやら6部屋ある
そのどこなんだろう
携帯はまだ生きていた
WhatsAppでオーナーにメッセージ
48、2-1
これがよく分からなかったが
後で分かるには
家は48
12ではなかったのだ
そして2は日本で言うところも3階だ
1と2の部屋があり、1ということだ
僕は4つの部屋に鍵を刺して確認した
どこも誰もいなかった
ひとつだけ鍵が回った
2回回る
そういう鍵がヨーロッパだ
しかし右に2回回そうが左に2回回そうがドアが開かない
指が痛くなってきた
そしてそこには照明がない
0階、1階の光が少しだけ届く
しかし1分で電気は勝手に消える
何度も電気スイッチを押す
何度も鍵を開ける
ドアは開かない
携帯はまだ生きていた
オーナーにメッセージする
開かないと
オーナーは今までも誰も開かないっていう人はいなかったよって
開けられるよ〜
しかし開かない
掃除人に行かせるかって
お願いします
すみませんって返す
10分後に男の人がやってきて
掃除人の息子か?
開けてくれた
このドアは真ん中にボッチがついている
それを引きながら鍵を右に傾かせてドアを押す
ドアを引きながらドアを押す
この動作は難しい
日本人にはない鍵だ
こちらでは当たり前なんだろう
車もマニュアルが不得意な僕には難しい操作だ
ダンスでも手と脚が同時にうまく動かない
それでダンサーは辞めた
遂に開いた
部屋は寒かった
エアコンは効かなかった
部屋は広かった
僕はエネルギーを99%使った
携帯はあと7%もあった

_2024年2月1日  

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